【完】斜め前と、ちっぽけな涙。

今度こそ布団から出て、



たくとに薬とお粥を出した。




「はいっ、これ!ちゃんと治しなよっ」



たくとは、一瞬ビックリしたような顔をして、



「お、お前………料理出来たんだ」




「で、できるしそれくらいー!!」



いや、今のは嘘。実はお粥くらいしか作れなかったりする。




気づくと、たくとの口にあたしの作ったお粥が入ってた。




「あ………美味しいよ」




「ほ、ほんとっ!?良かった」


ふー・・・これで不味いとか言われたら、かなりショックだもんな。




というか、お粥に美味しいも不味いもない気がするけど・・・・・・




たくとは、そのあとも、ちゃんと食べてくれて、完食してくれた。




「ちょっとは良くなった?」




「おう、ありがとな」




少し熱のせいか顔を赤らめてニカッと微笑むたくと。



きゅん



な、なに今の!?