ミーンミーン・・・・・・



うるさいセミの声が、嫌でも耳に入る地獄の5時間目。



暑い・・・本気でクーラーつけてほしい。


あたしは、桜井 もか。3ヵ月前、高校生になりました。


背中までのびた、ふわふわしたくせっ毛のロングヘアーに、悲しいほど小さな身長。



今はもう7月で、クラスでも良い友達ができて、楽しく過ごしてる。



同じ中学の人が少ないから、結構心配してたけど、斜め前のアイツのおかげで、自然に友達もできたんだ。



そして、このずっと変わらない窓側の1番後ろの席は、


私の特等席。寝ててもバレないし、良いことばかりの最高の席なんだ。



「赤ペンプリーズ」



斜め前から、そんな声が聞こえた。



「はいっ」


眠いので、いつもみたいに歯向かわず、スッと渡すと、


アイツは少しビックリした顔で、「サンキュ」と言い、赤ペンを受け取った。



あー・・・眠い。


ちょーっと、寝ちゃお。



そして私は夢の中へと入っていった。