走行会や集会の時だけ使うのではなく、日ごろからこの倉庫は活用されているらしい。


珍しくて周囲を見回していた時、倉庫の中央辺りで青いバイクをいじっていた海都と目が合った。


その瞬間、険しい表情を浮かべてこちらへ歩いてくる海都。


あれ?


なんか怒ってる?


ズンズンと距離を縮めてくる海都に少しづつ後ずさりをするあたし。


それでも距離は一気に縮められ、ガシッと肩を掴まれた。


「きゃっ!?」


「『きゃっ!?』じゃねぇんだよ、なんでお前がここに来てんだよ!」


普段のクールな海都からは想像もつかないが鳴り声でそう言われる。


「なんでって、言われても……」