走行会の集合場所はお屋敷から20分ほど歩いた場所にある倉庫だった。


思っていたよりも距離はあるけれど、《鬼龍》の走行会や集会に自宅のリムジンは使わないらしい。


そういえば、海都も歩いて行ってたっけ。


大きな灰色の倉庫の重たい扉を開けると、そこには数十人の男たちがすでに集まり、倉庫の中でバイクをいじっているのが見えた。


そして、その倉庫の奥にはソファやテレビといった家具が置かれている。


「すごい……」


「でしょ? 色々な事情があって家に帰れない仲間がここで寝泊まりしてるんだ」


「そうなんだぁ……」