「そう、とっても危険だから……」


親指と人差し指でクイッと顎を持ちあげられる。


まるでここままキスができそうな雰囲気だ。


「だから、俺と一緒にいな?」


甘く囁く。


胸の奥にジワリと広がるような優しい声。


完璧な微笑み。


「……っ!!」


あたしは思わず陸真さんを突き飛ばしていた。


驚いた表情をする陸真さんをその場に残し、あたしは屋上から出たのだった。