海都が優しく微笑み、あたしの手を握った。


一瞬体がビクンッと跳ねる。


海都のぬくもりを感じてしまうと、この手を離したくないと思ってしまう。


こんな事をすれば、二度と家族には戻れなくなってしまう。


そんな恐怖が胸の中に湧き上がる。


「ダメだよ……離して……海都」


「嫌なら自分から俺の手を振りほどいてみろ」


「そ……んな……」


そんなこと、できるワケがない。


やっと掴んだ海都の手。


やっとつながった気持ちを、手放せるワケがない。