海の奥底へと沈んで行く短冊と同じように、あたしたちも気持ちを奥底へと沈ませる必要がある。


だから……。


これ以上近づいちゃいけない。


「未玲」


海都があたしに手を伸ばす。


あたしはその手を掴まず、左右に首をふった。


「ダメだよ……あたしたち、兄妹なんだから……」


声が震えて、ついに涙が頬を濡らした。


せっかく両想いになれたのに。


お互いの思い出も手に入れたのに。


「おいで、未玲」