あたしはしばらく海都の胸に身を預けていたけれど、自分からそっと身を離した。


「海都が好きな『みーちゃん』は、あたしでいいんだよね?」


「……あぁ」


「あたしも、海都が好き」


「知ってる」


「でも……」


あたしはその場に立ち上がり、数歩後ずさりをした。


あたしたちは兄妹になってしまった。


想いが通じ合っても、決して許されることのない関係になってしまったんだ。


「あたしたち、恋人にはなれない……」


波があたしの気持ちを書いた短冊をさらっていく。