☆☆☆

それから、あたしは不意に砂浜を歩きたくなり1人で夜の道を歩いていた。


集会場から海までの道は、陸真さんに連れて行ってもらったから覚えている。


あの時はバイクだったからあっという間だったけれど、今日は徒歩だから随分と時間がかかってしまった。


それでも、波の音が聞こえた時には嬉しくて、あたしは子供のように走りだしていた。


「ついた!」


夜の海は真っ暗でその暗い中に星空が写り込み、手を伸ばせばすぐに天の川に届きそうだった。


「すごーい、綺麗!!」


上を見ても下を見ても、そこには星空が広がっている。


美しい光景に、あたしはしばらくその場から一歩も動けずにいた。