《できれば、海都と一緒に幸せになれますように……》


「なんてね」


叶わない願いでも、この年に一度の日に文字にしておきたかった。


七夕家にとって特別なこの日に……。


あたしはその短冊をそっとポケットへとしまい込んだのだった。