そう言ってあたしは万結から答案用紙を奪い返し、カバンにしまい込んだ。


この点数ならきっとママも喜んでくれる。


あたしの勉強を昔から心配してくれていたから、いい恩返しだ。


そう思い、カバンを手に立ち上がった時、教室のドアが開いた。


「陸真さん?」


ドアから顔を出した陸真さんに、あたしと万結は目をパチクリさせる。


陸真さんがこの教室に来る事なんてめったにないから。


残っていた数人の女子生徒たちから黄色い悲鳴が上がった。


「未玲ちゃん、外で待ってたんだけどなかなか来ないから来ちゃったよ」


「待ってたって……今日はなにか予定があるんですか?」


あたしは首をかしげる。