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そして教室でテスト返却が始まっていた。


苦手な科目からの返却であたしは思わず憂鬱な気分になる。


今回は赤薔薇高校のみんなからしもレベルの高いテストだったらしくて、あたしにとってはかなり不利だったんだ。


「赤点だったらどうしよう……」


不安で思わず口走る。


「大丈夫だよ未玲! そんな顔しないで!」


万結があたしの背中をトンッと押す。


それに促されるように、あたしは教卓の前へと進んだ。


数学教師はチラッとあたしの顔を見て「確か前の学校よりこっち学校の方が進みが早かったんじゃないか?」と、聞いてきた。


「は、はい……」