☆☆☆

万結とプリクラを撮り、近くのファミリーレストランでスイーツを食べた帰りぎわ。


あたしは大きな橋を渡っていた。


河の流れは穏やかで、空は青くて。


そこのままどこまでも吸い込まれていきそうな感覚に襲われる。


あたしは橋の途中で立ち止まり、スカートに手を突っ込んだ。


そして、中に入っているものをギュッと握りしめて取り出す。


拳の間から見え隠れする、お守り。


あの修学旅行の時に買った、縁結びのお守りだ。


あたしは手の中で太陽の光を浴びて微かに輝いているそれを、大空高く投げたのだ。


クルクルと回転しながら空中を飛び、そして橋の下へと落下していくお守り。