空李君は天蓋を指先でつまんで、その隙間から顔をのぞかせている。


「な、なんでここにいるの!?」


「え? 僕さっきノックしたよ?」


ノック……?


全然聞こえなかったよ!?


「なんか、ぴよぴよ聞こえてきたから、なんの音かなぁと思って」


「ぴよぴよ? あぁ、目覚まし時計のことかな?」


「それ、なに? すごく可愛い!」


あたしがヒヨコの目覚まし時計を差し出すと、空李君は喜んで受け取った。


「目覚まし時計とか、空李君は使わないの?」