試験勉強で余裕なのは海都と陸真さんで、2人とも特に勉強している様子はない。


海都はいつもあたしの勉強につきっきりだし、陸真さんはしょっちゅう女の子とデートしに出かけている。


海都の部屋の中、いつものように勉強を教えてもらいながらあたしはチラッと海都の横顔を見た。


「ねぇ、海都や陸真さんは勉強しなくていいの?」


「俺たち? 俺たちは幼少期から専属の家庭教師がついてたから、大学卒業レベルくらいの勉強はできる」


当たり前だろ?


と、言いたそうな表情で海都は言う。


「大学卒業レベル……」


あたしは思わずオウム返しで呟いていた。