あたしは陸真さんの出て行ったドアをジッと見つめて、頬に残る涙をぬぐった。


心の中にはまだ海都の笑顔があって、すぐにでも泣きだしてしまいそうだった。


でも……。


あたしはベッドから起き上がり、洗面所の冷たい水で顔を洗った。


目を赤くしてまるで白ウサギのようになった自分を鏡に映す。


「ぶさいく……」


そう呟き、プッと笑う。


大丈夫。


こうやって笑えるんだもん。


陸真さんの言葉にはビックリしたけれど、お陰で涙は引っ込んでくれた。


あたしはタオルで顔を拭いて、目薬をさした。


海都のことはすぐには諦められないと思う。