陸真さんから体を離そうとすると、陸真さんはあたしを抱きしめる腕に力を込めた。


「陸……真さん……?」


「俺なら、未玲ちゃんをこんなに泣かせないよ」


陸真さんがあたしの背中を何度もさする。


それはまるで小さな子供あやしているようで、あたしの心は少しだけ安心して、涙は徐々に引いて言った。


「あ……たしは……」


「返事は、すぐにはいらないから」


スッと陸真さんは身を離した。


「落着いてから、ゆっくり考えてね?」


そう言うと、陸真さんはあたしの手の甲にキスをして、部屋を出たのだった。