あたしの砂浜の思い出も、きっと別の男の子との思い出。


「……っ」


ジワリと浮かんできた涙は止まらなくなって、次から次へと溢れてくる。


あたしは仰向けになり、両手で自分の顔を覆った。


漏れてくる嗚咽を必死で喉の奥へと押し込む。


指の隙間から流れた涙はあたしの頬や髪をぬらし、火照った体を冷やして行った。


「あたしの……バカァ……」


変に期待して、ドキドキして、落ち込んで。


感情のすべてが海都のものになって……。


だけど海都は、いつでも他の女の子の事を思っていた。


昔も今も変わらずに。