あたしはそっと自分の頭に手をやった。


海都の手の感覚が思い出される。


「『みーちゃん』かぁ……」


そう呟き、寝がえりを打つ。


その目にはジワリと涙が浮かんできて、一粒の涙が布団にしみ込んでいった。


いいなぁ……。


そんなに海都に想われて……。


それに比べて、あたしは勝手に1人で盛り上がって、勘違いしちゃって。


「バカみたい……」


海都の『早く思い出せ』っていう言葉は、きっともっと別のことなんだろう。