それから家に帰るまで、海都は一言も口を聞いてくれなかった。


バイクから下りて「ありがとう」と言っても、「あぁ」と、短い返事があっただけ。


それ以外に会話はないし、なぜだか目も合わせてくれなくなった。


あたし、聞いちゃいけない事を聞いちゃったのかな?


海都の中で『みーちゃん』はすごく特別な存在だ。


それなのに、あたしの事かもしれないなんて思っちゃって……それで、海都は怒ってしまったんじゃないだろうか。


懐かしい記憶と海都がリンクしたあたしは、少しうぬぼれてしまっていたのかもしれない。


落ち込んでしまったあたしは、屋敷へ戻るとすぐに自室へと入った。


特攻服を脱いでそのままベッドに横になる。