あたしはほとんど記憶に残っていない当時の事を思いながら、口を開いた。


「ねぇ、海都……」


「なんか言ったか?」


「あたしたち、やっぱり1度会っているんだよね?」


「なに? 聞こえねぇよ?」


「……なんでもない」


あたしは小さくそう言い、再び目を閉じた。