1人の男に馬乗りになっていた海都の後ろに。《怪黄》の1人が迫っているのが見えた。


その手にはビール瓶。


「危ない!!」


相手が瓶を振り上げた瞬間、あたしは無意識のうちに木片を振り上げて相手に襲いかかっていた。


ゴンッ!と、低い音がして、ビール瓶を持った男がその場にノビてしまう。


その音で海都がハッとして振り向いた。


そして、ノビていると男とあたしを交互に見つめる。


「お前……すげぇな」


「え……えへへっ」


「さすが未玲ちゃん! 惚れ直した!」


それを見ていた陸真さんがあたしの頭をなでた。