☆☆☆

乱闘は《鬼龍》がグングン責める形になっていた。


狭い部屋の中、周囲の棚や食器をなぎ倒しながら迫る。


あたしはとにかくみんなの邪魔にならないように、時折木片を振り回して応戦していた
陸真さんが畳を持ち上げて相手めがけて投げとばす。


海都がキッチンに置いてあった塩を手に取り、相手の目に投げつける。


空李君が部屋の蛍光灯を割り、その破片を持って相手に襲いかかる。


《ホワイトタイガー》との戦いとは大違いで、みんな面白おかしく闘っているのがわかった。


しかも、なるべくこの部屋のものを壊して困らせてやろうとしているようにも見える。


まともに相手にされていない《怪黄》だったが、必死になって攻撃を繰り返す。


と、その時だった。