それだけで掃除は大変だし、あたしは掃除が苦手ときている。


確かにメイドさんがいてくれた方が助かるんだけれど、それじゃいつまでたってもあたしが成長できない。


「お前が努力家なのはよくわかる」


「へっ……?」


「俺たち兄弟は生まれた時から不自由なく生きてきた。


ケンカも負け知らずだったし、家柄も問題ない。だから、お前を見てるとすげぇなって思う事が沢山ある」


普段言葉少ない海都がまくしたてるようにそう言い、照れたように頭をかいた。


「海都……」


「俺も自分で掃除とか、してみようかな」


「……うん! 自分でやると気持ちいいよ!」


「そうか?」