「か、海都……」


振り向くと海都があたしを見下ろしている。


いつもの冷たい表情だけれど、あたしの心臓はドキドキしている。


きっと、あんな夢を見たり、縁結び神社に行ったりして意識しているからだ。


「荷物貸せ」


「え、でも海都も荷物……」


「お前よりは体力あるから平気」


そう言って、海都は少し強引にあたしの荷物を1つ手に持った。


「チッ。今日は迎え頼むべきだったな」


「い、いいよ。迎えなんて悪いし」


そう言うと、海都は無言のままジッとあたしを見てきた。