あたしは苦笑しながら返事をして、サイフから5円玉を取り出す。


一応5円がありますように、なんて考えて。


万結と一緒にお賽銭を投げいれて、二拝二拍手。


そして目を閉じると、自然と海都の顔が浮かんできた。


フワリと浮かんできた海都の顔はすごく幼くて、夢に出てきたあの少年にすごくよく似ていた。


海都……。


あたしの胸の奥の方がジンッと熱くなってくる。


海都のことを考えると、どうしてこんなにドキドキしたり悲しくなったりするんだろう。


まるで海都があたしの感情のすべてを支配しているようだ。


もしも、こういう感情が恋とかって呼ぶなら……。


神様、あたしは海都に恋をしているんでしょうか?