そこからの移動時間はあっという間だった。


おもに万結が彼氏とのなれそめをはしゃぎながら話していて、あたしはそれに相槌を入れたり、時折質問を返したりする。


恋人の話を聞くと、やっぱりいいなぁと思うし、うらやましくもなる。


でも、それが自分の身に起きるかな?


と、考えてみると途端にそれは夢のどこか遠くの話に感じられてしまう。


そんな堂々巡りをしているうちにバスは目的地に到着した。


白ウサギをモチーフにした神社は灰色の屋根に白いエントツのようなウサミミがピョコンと生えていて、すごくかわいらしい外観をしていた。


鳥居の上には石で彫られた白いウサギが乗っていて、みんなを出迎えている。