「待って!!」


咄嗟に少女は少年の腕を掴んで引き止めていた。


「なに?」


「……一緒に、遊んでくれる?」


「あぁ。いいよ」


少年は白い歯をのぞかせて笑った。


その時、少女の心臓はドキンッと跳ねた。


じんわりと、暖かな気持ちが胸に広がっていくのがわかる。


少年はもう一度その場にしゃがみ込み、少女の作っていた山にトンネルを作り始めた。


「そっちからもトンネル掘れよ」


「う、うん」


少年に促され、少女はトンネルを掘り始める。


一緒にトンネルを掘りながら、少年は「いつか俺はべてを制覇するんだ」と、楽しそうに言った。