遊んでいるハズなのに少女は無表情で、その顔はどこか寂しそうに見えた。


そんな時。


砂浜を歩いていた同年代くらいの少年が少女の前で足を止めた。


「何してんの?」


少年の冷たい目が少女を見下ろす。


「お山、作ってるの」


少女は少年を見上げて答える。


すると少年はその場にしゃがみ込み、「一緒に遊ぶか?」と、声をかけたのだ。


少女は戸惑ったように視線を泳がせる。


「嫌ならいい」


少年はそう言い、立ち上がる。