あたしは首をかしげる。


「俺はお前の母さんに会ったことはない」


「それ……って……あたしとは会ったことがあるってこと?」


「お前には教えてやらねぇって言ったろ」


「そんな……!」


「うるせぇな。ほら、寝るぞ」


「え? ちょっと……!」


海都はあたしを布団へと引き込む。


そして、まるで抱き枕のようにあたしを抱きしめて目を閉じた。


寝るって、この状態で……!?


無理に決まってるでしょ!!


あたしは顔を真っ赤に染めて海都の腕の中で小さくうづくまったのだった。