こんな至近距離でしかも抱きしめられた状態で海都を見つめるなんて、心臓がもたないかもしれない。


でも聞かなきゃいけないことがある。


「ねぇ、海都……」


「なんだよ」


「あたしたち、昔会ったことがあるの?」


そう尋ねると海都はフンッと鼻をならしてあたしから視線をそらした。


「お前には教えてやらねぇ」


「なんでよ……! 前に気になってママに同じことを聞いてみたけれど、会ったことはないって言われたの」


「へぇ? まぁ、それは間違ってねぇけどな」


「え……?」