「で、何か用事か?」


「いや……用事というか……」


あたしはもごもごと口ごもる。


まさか、寂しかったから電話した。


なんて言えない。


海都のことだからきっとバカにしてくるだろうし。


「なんだと、ハッキリ言えよ」


「べ、別に……。ちょっと間違えて携帯のボタン押しちゃっただけ!」


そう言い、あたしはドアを閉めようとする。


しかし海都がそれを阻止した。


「な、なに?」