しかしその数分後。


あたしの決意を邪魔するように部屋にノック音が響いた。


あたしは驚いて飛び起き、「誰!?」と、暗闇の中入り口へと視線をやる。


「俺」


ぶっきらぼうで冷たい声。


「海……都……?」


「あぁ。開けろよ」


「ちょっと、待って……」


慌てて布団から出て電気を付ける。


ドアを開けると、そこには旅館の浴衣姿になった海都が立っていた。


白地にブルーの柄の入った浴衣がこれほど似合う人がいるだろうか?