「あ、これ? 可愛いストラップ見つけたんだ!」


万結はそう言い、嬉しそうに袋を開けて中身を見せてくれた。


そこに入っていたのは……。


あたしが買ったものと全く同じ砂丘の砂が瓶に入ったストラップだ。


「ペアになってるから彼氏と一緒につけようと思って」


「あ、そうなんだ……」


「未玲の買ったストラップは?」


「あ、ううん。あたしのは大して可愛くないから」


そう答え慌ててバッグに袋をしまう。


「そうなの?」


「うん。あ、ほらもうすぐご飯だよ! 晩ご飯は食堂に移動するんだったよね?」


「あ、そうだね、行こうか」


結局、あたしは万結にストラップをあげることを断念したのだった。