彼氏と一緒に歩いているような場面が、全然想像できない。


「穏当だって。未玲が編入してきたときに男子たち『可愛い子が来た』って噂してたよ?」


「なに言ってるの万結。嘘ならもっと上手な嘘つかなきゃ」


あたしはそう言って笑った。


あたしが可愛いだなんて、あり得ない。


《鬼龍》のメンバーにもそんなこと言われたこと一度もないし。


そう思っていると、万結が呆れたようなため息を吐き出して「ま、未玲はそのままだから可愛いんだけどね?」と、あたしの肩をポンポンと叩いたのだった。