あたしは驚いてつい声が大きくなる。


万結は嬉しそうにほほ笑み、「うん」と、頷く。


違う学校の彼氏と修学旅行先の旅館が被るなんて、すごい。


旅館の部屋についてから万結がどこかソワソワしていたのは、きっとそのせいだ。


「いいなぁ万結」


「え?」


「彼氏とか、あたしできたことないもん」


あたしは着替えながらそう言う。


「未玲は女子高だったからでしょ? 共学になったんだから、これからどんどんできるよ!」


「そうかなぁ……?」


あたしは万結の言葉に首をかしげる。