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万結とあたしはワンピース型の水着を借りて海へと向かった。


旅館から海までは無料の往復バスが出ていて、移動も困難ではなかった。


浜辺の仮設更衣室で着替えていると、万結が申し訳なさそうに声をかけてきた。


「あのさぁ、未玲」


「ん、なに?」


「夜、あたし部屋抜けてもいいかな?」


「え? なんで?」


あたしはバスタオルを体に巻いた状態で万結を見る。


万結は少し頬を染めて「実はね、今日同じ旅館に彼氏の学校も修学旅行で来てるみたいなの」と、言った。


「うそ、そうなの!?」