2人部屋に移動したあたしたちは部屋の隅に荷物を置き、窓の外を眺めていた。


丘の上にある旅館のため、2階からでも海が見える。


「すごい、綺麗!!」


「ここの旅館水着を貸してくれるらしいよ、未玲一緒に泳ぐ?」


「そうなんだ? 行きたい行きたい!」


綺麗な海に気分が高揚する。


旅館についてから3時間ほどは自由行動だ。


その間に近くの海にいく生徒も多いようだった。


「時間厳守だから、時計持っていかなきゃね」


あたしと万結は荷物か時計を取り出してそれぞれ腕にはめた。


その時計を見た瞬間、ふと懐かしい感覚がよみがえってきてあたしは動きを止めた。