「下りるときにも言えよ? お前チビなんだから」


「なっ……チビじゃないもん!」


ふくれっ面をして言い返すと、海都はあたしの頭をポンッと撫でた。


その感覚にまたドキッとするあたし。


そんなことにも気がつかず、海都はそのまま自分の席へと戻って行ってしまった。


なんかずるいな……。


あたしだけドキドキして。


あたしはそっと自分の胸に手を当てて、ため息を吐き出したのだった。