「俺ら《鬼龍》と《ホワイトタイガー》は、親父たちの時代からのライバルなんだ」


「……ライバル?」


「あぁ。もちろんお互いに手加減はしない。だけど、どちらがどれほど成長したかを競い合っているんだ。


その証拠に、あの暗闘の時に両者とも武器を持っていなかったのを、覚えてる?」


あ……。


そういえばそうだ。


みんな素手の殴り合いをしていた。


「武器を使わないのは《鬼龍》と《ホワイトタイガー》の暗黙の了解なんだ。


オヤジの時代からずっとね。ちなみに、小寺万結の彼氏はの親父は俺の親父の親友だ」


敵同士の両親が親友……!?


あたしはその事実に口をポカンと開けてしまう。


「《鬼龍》のみんなは、本当は《ホワイトタイガー》の復活を喜んでいたと思うよ。


自分たちの親がライバルとしてきたチームがまた現れて、今度は自分たちとライバルになる。

そういうのちょっといいでしょ」


そう言って、陸真さんは笑ったのだった。