「あたしは……裏切られたのかなって思いました」


陸真さんは返事をしない。


ただ、青い空を見上げている。


「あたしは《鬼龍》の家族で、万結は《ホワイトタイガー》の彼女で。


最初からそれを知っていた万結は、彼氏のチームのためにあたしに近づいたのかなって……!!」


そう説明していると、感情が高ぶって涙がジワリと浮かんでくる。


「その心配はないと思うよ?」


「え……?」


「小寺万結は、未玲ちゃんを本気で裏切ってない」


「そ……んなこと……どうしてわかるんですか……」


陸真さんは裏切られていないから、そんな事が言えるんだ。


そう思い、眉間にシワを寄せる。