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教室へ入っても騒ぎはいつも以上のものだった。


キャァキャァと騒ぐ女子たちはあたしの机も取り囲み、クールで接しにくい海都に聞けない事を次々と聞いてくる。


まるで編入初日が戻って来たような雰囲気だ。


あたしたちは女子生徒たちから発せられる質問に答えながらも、いつまでも現れない万結が気になっていた。


女子生徒たちの隙間からチラチラと見え隠れする万結の席。


それらしばらくしてチャイムが鳴り、担任の教師が入ってきても万結は姿を見せなかった。


今日はもう、来ないのかもしれない……。