3人で棒立ちになっていると、陸真さんが軽くため息を吐き出した。


「仕方ない。ここは俺が引きつけておくから、お前らは裏から回れ」


「え、でも、それじゃ陸真さんが教室に行けないじゃないですか」


「俺は平気。待ってれば教師が出てきてどうにかしてくれるだろうしね」


そう言って、陸真さんは女子生徒たちの方へ向き直った。


「みんな、《鬼龍》の応援をいつもありがとう!!」


陸真さんが大きな声でそう言うと、女の子たちは一瞬にして陸真さんに注目し、黄色い悲鳴を上げる。


「行くぞ、未玲」


「う、うん」


海都に手を引っ張られ、あたしたちはこっそりそこから移動したのだった。