ここから女子高へは遠くて通う事は出来ない。


寮もないし戻るとしたら1人暮らしをするしかない。


そうなると、3兄弟と離れてしまう事になる……。


あたしは海都の背中に自分の腕を回した。


さっきまで女子高へ戻りたいと思っていたのに、今はこの生活を続けたいと思っている自分がいる。


なんて我儘なんだろう。


こうして抱きしめられると、すぐに気持ちは揺らいでしまう。


「あたし、もう少しここで頑張ってみる」


「そうか」


「ありがとう、海都……」


あたしはそう言い、目を閉じたのだった。