あたしのドキドキをかき消すように、陸真さんがそう言ってきた。


「みんなが、あたしに色々教えてくれたから……」


「僕たちは知っている事を教えただけだよ」


「あぁ。本番でそれが発揮できるかどうかは、未玲ちゃん次第だったんだ」


「……よくやったな、未玲」


ポンッと、海都があたしの頭をなでる。


ふわっと懐かしい記憶が一瞬にしてよみがえり、そしてすぐに消えてしまう。


「……ねぇ、海都……」


「なんだ?」


「あたしたちって……」


『どこかで会ったことがあるのかな?』


そんな言葉を、グッと飲みこむ。


言葉を途中で切ったため、海都はキョトンとした表情をしている。