さっきまで転倒した状態だったから、体も大きく感じただけ。


今ちゃんと見てみると、そこまで大男じゃない。


大丈夫、やれる。


あたしは拳を作り少し体勢を低くした。


男は「やっとやる気になったか」と笑い、次の瞬間あたしに向かって拳を突き出してきた。


……見える!!


海都の投げてきた玉に比べるとまるでスローモーチョンだ。


あたしは上半身を左へよけながら、右の拳を突き出した。


あたしの拳は金髪男の脇腹へヒットして、男は「うっ」と小さくうめき声をあげた。