何百人という人数の男たちの乱闘は想像以上に壮絶なものだった。


もう、誰が誰と戦っているのかさえ、わからなくなってくる。


あたしは目の前で海都が敵の顔面に殴りかかるのを見た。


横では陸真さんが敵に馬乗りになり、その頬を打った。


そのすぐそばで、海都君が敵の腹にケリを入れ、吹き飛ばされた敵が自分のチームの仲間を巻き添えにして倒れ込む。


あちこちで血が飛び散り、痛みに呻き、時折嘔吐する声も聞こえてきた。


あたしの入る隙なんてない。


そう、思った時だった。


いきなり後ろから腕を引っ張られ、あたしは体のバランスを崩して転倒してしまった。