「う、うん」


ドキドキしながら袋を開けて、中を取り出す。


バサッとそれを広げると、背中の右端に赤色の刺繍で《鬼龍》と書かれている。


そして中央には真っ赤な登り龍の刺繍がほどこされてあった。


「すごい……」


こんなすごい特攻服をあたしなんかが着てもいいんだろうか?


そんな思いが一瞬よぎる。


その気持ちを理解したように海都が口を開いた。


「着てみろよ。そんな小さいサイズ、お前にしか合わねぇんだからさ」


と、言った。