な、なに、今のっ……。


海都が部屋を出て行った後、あたしはしばらくその場で放心状態になっていた。


今、あたしにキス……したっ!?


瞼に落とされた暖かくてやわらかな感覚に、どんどん顔が熱くなっていく。


し……信じらんない!!


好きな子がいるくせに!!


『みーちゃん』とか、呼んじゃうくせに!!


完全にバカにされた……。


そう思ったあたしはドアに向かって


「海都のばぁーかっ!!!」


と、叫んだのだった。