そう言うと、海堵はあたしの頭をくしゃくしゃと撫でた。


大きくて暖かな手。


「もう、泣くなよ?」


「……うん」


あたしが頷くと、海堵はあたしのうるんだ眼の瞼にチュッとキスをして、部屋の出て行ったのだった。